GMOペパボと鹿児島大学が産学連携 ~地域ブランドの開発支援を目的とした、ECデータの利活用による共同研究を開始~

GMOインターネットグループのGMOペパボ株式会社(代表取締役社長:佐藤 健太郎 以下、GMOペパボ)は、国立大学法人鹿児島大学(学長:佐野 輝 以下、鹿児島大学)と産学連携の取り組みとして、本日2021年4月19日(月)に、地域ブランドの開発支援を目的としたECデータの利活用による共同研究契約を締結いたしました。

なお、共同研究の期間は、2021年4月19日(月)から2021年9月30日(木)までの6か月間を予定しています。

本研究では、GMOペパボが有するEC関連サービスに関する統計データ(※1)を鹿児島大学が学術的に分析することで、地域ブランドの開発やECでの販路拡大を推進し、鹿児島県の発展・成長への貢献を目指します。

具体的には、鹿児島大学が消費者行動の分析結果より導き出した仮説に基づき、地域のポテンシャルを最大化する商材やサービスを探索し、今後の地場産業、伝統産業、個人事業主等が発展するための基盤となる地方都市・まちづくりに向けたマーケティングリサーチと仮説の検証を行います。

(※1)個人情報を含みません。
GMOペパボと鹿児島大学が産学連携 ECデータのり活用により地域ブランド開発を支援

共同研究の背景

鹿児島県は、温暖な気候と海と山に囲まれた豊かな自然環境により、黒毛和牛、黒豚、クロマグロ、サツマイモなど多くの特産品を持ち、農業産出額は全国2位(※2)、漁業産出額は全国5位(※3)と農林水産業の優れた生産基盤を築いています。しかしながら、主力産業のひとつである食料品製造業においては付加価値率が全国21位(※4)となっており、さらなる成長・改善が期待されています。

そのような中、鹿児島県では6次産業化(※5)に注力するほか、県の持つ「健康・癒し・長寿」に有益な地域資源を「かごしまのウェルネス」としてブランド化を図り国内外に発信するなど、地域資源の付加価値の創出・向上や販路拡大などにつなげる取り組みを行なっています。また、『かごしま製造業振興方針』(※6)において、「継続的な市場、販路の開拓・拡大、マーケティング力・販売力の強化」や「産業のパラダイムシフトへの対応」などを課題にあげ、産学官の関係企業・団体等と共に2025年までの5年間それらの課題に取り組んでいくことを掲げています。

GMOペパボは、「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」というミッションのもと、東京・福岡・鹿児島に拠点を置き、ホスティング事業、EC支援事業およびハンドメイド事業を軸に、インターネット上での自己表現を支援するサービスを多数提供しています。また、近年は地方産業の活性化を目的として、自治体や企業との連携にも積極的に取り組んでいます。鹿児島県においても、2020年に鹿児島銀行との連携提携を締結するなど、県内の事業者のインターネットを活用した事業展開、ひいてはDXを支援しています。

一方、鹿児島大学では、学部を横断した教員グループによる「社会共創イニシアティブ部会」(※7)を立ち上げ、同大学に寄せられた地域の課題を収集・集約し、課題解決のコンサルティング活動、産学連携研究(共同研究)やプロジェクトの企画立案・立ち上げ、地域との交流事業を行うための「オープン実証ラボ」(※8)の推進を行っています。また、奄美大島の伝統工芸品である大島紬織物産業に関する研究(※9)や、地域中小企業のネットワーク組織の可能性に関する研究(※10)にも取り組み、鹿児島県の産業の活性化に貢献してきました。

そこでこの度GMOペパボと鹿児島大学は、鹿児島県の持つ課題を解決し、地域の発展・成長の一助となるべく、地域ブランドの開発を目的としたECデータの利活用による共同研究を開始いたしました。

今後は、本研究の研究結果に基づいた地域ブランド開発の実現に向け、自治体および鹿児島銀行等の地域企業との連携についても検討を進めてまいります。

(※2)出典:農林水産省「令和元年農業産出額及び生産農業所得(都道府県別)
(※3)出典:農林水産省「令和元年漁業産出額
(※4)出典:「経済産業省大臣官房調査統計グループ 2019年工業統計表 産業別統計表〔概要版〕
(※5)総合化事業計画の認定を受けた生産事業者が、自ら生産した農林水産物の加工または販売等を一体的に行うことを指します。
(※6)http://www.pref.kagoshima.jp/af03/sangyo-rodo/syoko/housin/documents/7082_20210317144118-1.pdf
(※7)https://www.krcc.kagoshima-u.ac.jp/blog/article/co-creation-committee/
(※8)「オープン実証ラボ」とは、県内の中小企業との研究開発機会の拡大および研究成果の可視化(試作・プロトタイピング)による事業化支援の充実を図るため、研究成果の試作および発表機会を確保するスペースとして鹿児島大学が設置する施設です。
(※9)⾺場武(2020),「⼤島紬織物産業の現状と課題.商品開発」,管理学会第 33 回全国⼤会。
(※10)馬場武(2020),「地域産業における水平的組織間ネットワークの分析 」,『日本情報経営学会誌』,No. 40, Vol. 3, pp.46-58.

共同研究の概要(実施期間:2021年4月19日(月)〜2021年9月30日(木))

(1)消費者動向データの学術的分析と仮説の提示

GMOペパボが運営するEC関連サービスの消費者動向データを鹿児島大学が学術的に分析します。鹿児島大学は、その結果から導き出した地域のポテンシャルを最大化する商材やサービスに関する仮説を提示し、今後の地場産業、伝統産業、個人事業主等が発展するための基盤となる地方都市・まちづくりに向けたマーケティングリサーチと仮説の検証を行います。

仮説検証後には、GMOペパボにおいて、研究結果の実現を目指すための自治体や企業等との連携方法について検討します。

(2)DXによる地方都市・まちづくりの方向性(連携ロードマップ)の検討

データアナリストの共同育成事業、EC・ITのアントレプレナーシップ事業、鹿児島大学の情報システム高度化事業等の発展についての議論を通じ、DXによる地方都市・まちづくりの方向性(連携ロードマップ)を共同で検討します。