デザイナー評価制度の話

第1話
デザイナー職位制度とは
第2話
私、シニアデザイナーになる!
第3話
飛び立て羽ばたけデザイナー

デザイナー評価制度の話

第1話  デザイナー職位制度とは
第2話  私、シニアデザイナーになる!
第3話  飛び立て羽ばたけデザイナー

今回の登場人物

五十島 啓人
取締役兼経営戦略部長。人事制度管掌役員として、評価制度改革に乗り出す。最近の趣味は懸垂。

岡田 裕介(デミ)
ウェブから紙まで縦横無尽に飛び回り、手斧を振り回すシニアデザイナー。職位制度・評価制度の策定に企画当初から参画。

佐藤 咲(しょうちゃん)
2011年新卒入社の初代シニアデザイナー。安定感と優しさを備えたデザインが定評。ねことコーヒーが好き。

五十島
実際にシニアデザイナーになって良かったと感じることはありますか?
しょうちゃん
シニアデザイナーとして他部署のデザイナーさんと面談を行うようになったのですが、各部署のデザイナーさんが普段どんな事を考えているのか、何が得意なのかがわかったのはすごくいいことだなと思います。
デミ
悩んでることや考えていること、注目している話題などを聞いて回れるのはもちろん、そこで得た情報を別の部署のデザイナーに共有して、「今それ、あそこの部署もやろうとしてるから話を聞いてみたら?」というアドバイスができるようになったのもよかったと思います。あとは週1回ペースで「デザイナー駆け込み寺」というシニアデザイナーによるお悩み相談会を開いてるんですが、いろいろな部署のデザイナーがちょっとだけ困っていることとか、アドバイスをもらいたいことなどを気軽に相談できる場所として使ってもらっています。ここでも複数のサービスのデザイナーが集まることで思いがけないアイディアにつながったり、ディスカッションしたりできる場所になっています。駆け込み寺をきっかけに、日常業務の中でも相談しやすい空気が生まれ始めている気がしています。
五十島
シニアデザイナーという職位を置いたことは、結果的に会社のみんなにとってよかったと思うんですね。悩みを相談できる信頼感と的確なアドバイスをもらえる安心感、すごくバランスがよくなったと思います。デザイナー以外の職種のスタッフも巻き込んで、部署も横断して情報共有できるようになると、コミュニケーションコストが下がって業務効率アップにもつながるし、会社としても前進したんじゃないかなと思います。逆に、苦労されてる点はありますか。
デミ
シニアデザイナーといってもサービスに所属しているので、面談や駆け込み寺がプラスされることによって業務量は増えましたね。それは結構大変です。
しょうちゃん
確かに。
デミ
相談に対してアドバイスをするときの準備も意外と時間がかかりますね。個人的な印象でコメントするわけではなくて、きちんと検証して論理的に回答したほうが納得感があるので。でも相談に乗っているうちに自分が気づくこともいっぱいあります。自分の判断基準がどこにあるのか改めてわかったり、興味をもつポイントが変わってきたりとか、こちらが学ぶことも多いです。
しょうちゃん
相談されることが増えて、改めて自分の知識不足や技術力不足が浮き彫りになることもあります。「この人が言うならそうなんだろう」と納得してくれるほどの実績が残せているかというとまだまだなので、今は「だめだ、こんなもんでは!」って思いながら自分の知識や技術を高めたいという意識も強くなっています。大変ではありますけど、楽しいことでもありますね。
デミ
アドバイスといっても自分がこう思うからこうして欲しい、というやり方ではなくて、あくまでその人の成長につながるように、その人が今まで見えてなかった視点からデザインを見えるようにしてあげるとか、能力や視点を引っ張り上げるやり方を心がけています。
五十島
業務量が増えている部分は会社としての課題ですね。シニアデザイナーのみなさんのおかげで、会社全体がカバーできる領域が広がってきているというのも理由のひとつなのかなと思うんですが、実際に制度を導入して、周りが変わったという実感はありますか。
しょうちゃん
デザイナーたちの意識が変わったなというのは、たびたび実感します。
デミ
僕もそう思います。
五十島
例えば?
デミ
ペパボでデザイナーとしてのキャリアを積むイメージを具体的に持ってもらえるようになったと思います。自分の得意なことや知識、キャッチアップしたトレンドなどを、部署を越えていろんな切り口で広めていこうという意識が強くなってきたのかなと。同時に、つくるものも、以前に比べてクオリティ高くスピード感を持ってアウトプットできるようになったという感じがします。気軽に相談できる環境があるから、大胆にいろんなパターンで考えてみようという気持ちになっているのかもしれません。
しょうちゃん
デザイナーだけではなくて、他の職種の人たちからも「シニアデザイナーに聞いてみたら?」という提案をしてもらえる機会も増えたそうですし、実際にエンジニアやディレクターから声をかけてもらえることも増えました。
デミ
バックオフィスやエンジニアなど、デザイナーの手を借りたいけど部署にはいない、誰にどうやって依頼すればいいんだろう?という場合の窓口としてシニアデザイナーを活用してもらえるようになりました。デザイナー側からみても、自分の所属する部署以外にもっと活躍できる場が増えているのかなと思います。
五十島
確実に変化が起こり始めていて、いい感じですね。今後、この制度を通じてこうしていきたい!という思いはどんなものがありますか。
しょうちゃん
社外のいろんなところから、もっと「ペパボのデザインはいいね」と言ってもらえるデザイナーが増える動きをしていきたいと思っています。
五十島
ペパボのデザイナーは恥ずかしがり屋が多いですよね。魅力的な人ばかりなので、もっと表舞台に出て行ってもいいのにと思うことが多いです。
デミ
会社やサービスの知名度に比べて、デザイナー個人の人となりはまだまだ伝わりきっていない印象ですね。逆に、デザイナーのことを知っている外部の人には「変な子多いよね」って言われます。ポジティブな意味で。
一同
(笑)
デミ
今の世の中、いわゆるデザイナーのエゴのような部分はデザインに反映させないほうがいいという声もあるんですが、僕個人としては、デザイナー個人の趣向や考え方はもっと成果物に反映していいと考えています。ペパボには、自分なりのデザインへのこだわりや、ものづくりへの考え方が強いデザイナーが多いと思っていて、その性質がよく言われている「ペパボっぽさのあるデザイン」につながっているんじゃないでしょうか。勉強会などを通じて、ペパボにはこんなに面白いやつがいるよっていうのを、よりアピールできるといいなと思いますね。あとはデザイナーがきちんと評価されて、成長できる土壌がある会社だという認知度を上げて、ペパボでデザイナーとして働きたいと思ってくれる人をもっともっと増やしていきたいですね。「ウェブサービス界隈でデザインやるならペパボがいいよ」って、巷で言ってもらえるようにしていきたいです。
五十島
2016年のペパボは「個人の有機的な成長」を目標のひとつにするということもあって、今後はデザイナーやエンジニア以外の職種の成長支援にも、この評価制度と職位制度で培った仕組みを活用していかなければならないと思います。この制度を作ったことによってデザイナーの一人一人が自分のキャリアについて考える機会が増え、目線を高く持てるようになったように、ペパボのスタッフみんなが自分たちのキャリアをしっかりと伸ばせるような仕組みを作っていきたいと思います。今日はおふたりともありがとうございました!


〜おわり〜