matsumotoryの話

第1話
matsumotoryという男
第2話
ペパボを選んだ理由
第3話
アウトプットの重要性

matsumotoryの話

第1話  matsumotoryという男
第2話  ペパボを選んだ理由
第3話  アウトプットの重要性

今回の登場人物

栗林 健太郎(あんちぽ)
人間たちからあんちぽくんと呼ばれるペパボの執行役員CTOとしてすっかりおなじみ。常日頃アウトプットの重要性を訴えつつ、自ら率先してアウトプットを行う。GMOグループの新卒エンジニア向けに発表したスライドが巷で話題。

松本 亮介
技術基盤チームのアドバンスド・シニアエンジニアとして2015年4月に入社。mruby活用によるOSSへの貢献が評価され、数々の賞を受賞。京都の大学院博士課程を経て、ペパボ就職と同時に福岡へ移住。一児の父。

成長に必要なのは、スキルの一般化とアウトプット

あんちぽ
松本さんは入社してすぐに、福岡のインフラエンジニアのみなさんにアウトプットの重要性についてお話されたと聞いているんですが、どうしてそういう話をしようと思われたんですか。
松本
サービスを運用するエンジニアは、そのサービスをうまく運用するために最適な技術で、システムやツールを作ります。その場合の懸念点は、サービス依存の技術になってしまうことがあるということです。そうなってしまうと、いざ自分の技術について社外でアピールするときに、外部からの理解や評価を得づらいことが多い。僕が博士課程で学んだことは、自分の技術が社会に貢献していると言うためには何が必要なのか?ということで、それって結局自分の技術や作成したツールをより一般化して、社外でも通用するようなものとしてアウトプットすることだったと思うんです。僕は研究しながらどんどんアウトプットしたことによって、いろんな賞をいただいたりして自分の培ってきたスキルを認めてもらうことができた。
あんちぽ
ペパボは長い間規模の大きなサービスを担ってきていることもあって、スキルが高い人が非常に多いんですよね。
松本
仰るとおり、福岡支社で運用を担当しているエンジニアのみなさんのスキルは非常に高いんです。彼らのスキルの高さに加えて、やっていることや自分の貢献を一般化してアウトプットする力が備われば、社外にもどんどんアピールしていけるエンジニアになり得ると実感しました。だからこそ、自分がこの3年間で学んだ一般化してアウトプットする技術をフィードバックして、全員が「ペパボのあの人のようになりたい」と思ってもらえるようなエンジニアになってほしいと思ったのが一番のきっかけですね。
あんちぽ
高いスキルに加えて、ちょっとしたやり方や考え方一つでもっと成長できるという部分があって、それが松本さんの仰るアウトプットだったということですね。
松本
開発担当のエンジニアは、リリースしたらまずは一段落ということで、次のサービスや新しい機能の開発に取り組むことがほとんどです。細かいバグ修正なんかはあると思いますが。一方で運用担当者は、一度開発担当から渡されたものはずっと運用し続けていかないといけないし、そこに一区切りのようなものはないので、なんだか取り残されたような感じになってしまうんです。僕がそういう経験をしてきたので、自分と同じような境遇の人や、同じような悩みを抱えている人の話のほうが受け入れられやすいだろうという思いはありました。
あんちぽ
歴史の長いサービスに携わっていると、歴史的な経緯やそのときの状況で、業務ロジックに依存したコードを書きがちなわけですよね。その対応自体はすごくいいことなのですが、一般化したり、社外にアウトプットしたりすることが、仕事での成果やスキルアップにつながるということを伝えるのって難しいことが多いので、松本さんの今回のお話はとても納得度の高いお話だったんじゃないかと思います。
松本
自分が学習や経験によって得られたものを共有することで全員のスキルが上がっていくと、自ずと全体でやれることもどんどん高度になっていくので、自分ももっと次のステップにいける感じがあるんですよね。なので、僕は学んできたことやスキルを他人に共有するということに対して出し惜しみをすることは全くないんです。それはOSS活動をしていて、Matzさんを始め、すごいエンジニアといろいろやり取りしながら、どんどん自分が成長していく実感があったからなんですが。だから今回も、みなさんと一緒に自分もさらに一段階上に行きたいという気持ちがあったので、お話をさせていただきました。
あんちぽ
そうですね。そういう点では、インフラエンジニアだけじゃなくて、アプリケーションエンジニアにとっても得るところが多いお話だったと思います。
松本
僕と同じ福岡支社のアドバンスド・シニアエンジニアであるudzuraさんは、技術基盤チームの中でもアプリケーションエンジニア寄りの立ち位置だと思うんですが、udzuraさんも同様の感想を持ったと仰ってたので、その点でもお話してよかったと思いました。
あんちぽ
最後の話題なんですけど、松本さんは職業エンジニアとしての顔と研究者としての顔をお持ちなわけですが、両者の関係性やバランスについてどうお考えですか?
松本
ウェブの技術ってめちゃくちゃスピード感があって、どんどん新しいものが生まれて、あっという間に過去の技術に取って代わっていくものだと思っています。一方で研究者には、研究を進めるにあたって新規性というものが必ず求められていて、これまでにない新しいものを作った上で、その有効性を示すという大事な使命があります。インターネットやウェブを専門にしていても、エンジニアと研究者はやっていることが随分違うような印象があると思うのですが、両者の方向性はどんどんリンクしていっていると感じています。これはエンジニアと研究者と、両方の立場を経て感じたことですし、もっと両者の関係が密になるような橋渡し役をしていきたいと考えています。
あんちぽ
エンジニアである僕らから見ると、大学がやってるような最新の研究って普段の生活や仕事とは縁がないように思えるんですが、研究者は研究者で新規性や有効性などを強く求められる厳しい世界だったりして、実は新しい技術を追求している我々エンジニアともリンクしてるところがあるということですよね。
松本
これまでは新規性っていうのがすごく重要だったと思うんですけど、新規性よりも有効性が高い論文が評価される場面も出てきていると思います。実際に僕が参加してた研究会では運用技術が研究テーマになっていたので、きちんと実装できているのか、その実装がちゃんと運用できる仕組みになっているのかという部分が評価につながるようになっていました。そのこともあって、今後ますます研究者はエンジニアよりのスキルを身につけていく必要があると思いますし、逆にエンジニアもどんどん新しいことに挑戦する必要が在る時代になっていると感じます。
あんちぽ
そういう意味でも、技術をオープンにしようという方向性を持っているペパボは、松本さんのような気持ちを持って働きたいなっていう人にとってはかなりいい環境なのかなと思います。
松本
そうですね。インターネットの研究をしている人にはがんがん来てほしいです。これからは、エンジニアが研究者の集まる研究会で最新の研究やトレンドを知ったり、逆に研究者が現場的なノウハウや実際の運用について知ったり、お互いに協力しながらいいところを学んでいくことが必要になると思います。
あんちぽ
最後にインフラエンジニアを目指す人にメッセージがあれば。
松本
エンジニアとして生きていくっていうことは、会社に所属しているということではなくて、会社という鎧というか、看板のようなものを取り払ってもエンジニアとして評価される状態のことを言うと思っています。会社の中で使っているスキルも含めて、いかに自分のやっていることを一般化して外部にアウトプットしアピールしていくのか。それが結果的に自分のエンジニアとしてのスキルアップにもつながりますし、ぜひみなさんにもどんどんやっていただきたいと思ってます。今改めて振り返ると、エンジニアをやって研究者をやって、一番やってよかったなと思えることです。
あんちぽ
では、松本さんと一緒に働いてくださる、どんどんスキルアップしていきたい方をペパボでは絶賛募集中ということで、今日はそろそろ終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
松本
ありがとうございました。


〜おわり〜