SUZURIの中の話

第1話
狂ったもの好きな中の人たち
第2話
SUZURIの中身を語り尽くそう
第3話
さて、これからどうする?

SUZURIの中の話

第1話  狂ったもの好きな中の人たち
第2話  SUZURIの中身を語り尽くそう
第3話  さて、これからどうする?

今回の登場人物

栗林 健太郎(あんちぽくん)
GMOペパボの技術責任者。人間たちからはあんちぽくんと呼ばれている。

久保田 竜自(くぼりゅー)
EC事業部カラーミーショップグループ。SUZURIの画像合成部分やUIなどフロントエンド周りを担当。

喜多 啓介(きたけー)
EC事業部 カラーミーショップグループ。アプリケーションロジックや運用に関わる部分を担当。

ペパボのトップエンジニアであるあんちぽくん(antipop)がエンジニアを招き、サービスの仕組みやエンジニアの働き方について喋りまくる通称『あんちぽの部屋』。記念すべき第1回目は、サービス開始1ヶ月で会員が1万人を突破したSUZURIのエンジニア2人と共に、全3回でお送りします。
あんちぽくん
今日は、今年2014年4月にリリースされた新サービスSUZURIの担当エンジニアのおふたりに、お話を聞きたいと思います。まず、お2人それぞれ簡単に自己紹介をしていただけますか。
くぼりゅー
久保田竜自です。くぼりゅーと呼ばれています。
SUZURIの画像合成部分やUIなど、ユーザーが直接触れるフロントエンド周りを担当しています。
あんちぽくん
ユーザーの手によってアップロードされた画像を、Tシャツやマグカップに印刷されているかのように画像合成して見せる部分がSUZURIの肝ですが、くぼりゅーさんはそこを担当されていると。
そしてもう1人のエンジニアです。
きたけー
喜多 啓介と申します。会社ではきたけーと呼ばれております。
SUZURIでは主に、アプリケーションロジックとか運用に関わる部分を担当しています。
あんちぽくん
まず2人が担当するサービスについて訊きたいんですけど、SUZURIとはどういうサービスですか?
きたけー
自分の持っている画像や写真を使って、オリジナルの商品を作って売れるサービスです。大事なポイントは、作るのが楽しいっていうところでしょうか。
あんちぽくん
画像をポンと上げて、グッズになりますよーというだけじゃないおもしろさがありますよね。サービスが単純にカッコいいじゃないですか。
くぼりゅー
サービスのカッコよさは、デザイナーのデミさんの力が大きいと思います。
新しいサービスを立ち上げる時に、他社を含め、既存のサービスを参考にすることって多いじゃないですか。参考にしたほうが話が早いですし。でも、チームみんながそういうのが嫌いで、ホワイトボードを囲んだりして、チームみんなでゼロから考えました。
あんちぽくん
今までのECサービスは、そもそも売るものを持っている人でないとネットショップを開けなかったわけですが、SUZURIの登場で、売るものがなくてもECが始められるようになったわけです。
Tシャツとかマグカップとか、リアルなものを作りましょうっていう流れは、今まで僕らがやってきたサービスとはちょっと違う方向性ですよね。今まではユーザーが持っている商品を売るのをお手伝いをしていますって役割を担ってた僕たちが、物を作るところから売るところまでサービスとして提供するようになったというところで、ひとつ踏み込んだサービスなのかなと。

みんなちょっと狂ったようなサービスが好きなんです

あんちぽくん
技術的な話をする前に、まずはSUZURIのチーム体制を紹介してもらいましょうか。
くぼりゅー
開発が僕たち2人で、デザイナーがメインのデミさんと途中から加わった鹿くんの2人、あとは、ディレクターというかプロダクトの責任者としてdaiskip先生がいて、全部で5人ですね。

「こういう理由があるから、ここは絶対こうする!」っていうような、めちゃくちゃ強いリーダーがいたわけではなくって、何かを決める時は職種関係なくチーム全員で決めてきましたね。
そんな中で意見が分かれることも多いんですけど、趣味が合う人たちが偶然集まったのがよかったなって。好きなウェブサービスが似てたりして。たとえば一般人はあんまり好きじゃないだろうなって感じの、to.beっていうよくわからない画像サービスが好きだったり。
きたけー
みんなちょっと狂ったようなサービスが好きなんですよね。
くぼりゅー
そうそうそう!
あんちぽくん
いわゆるヒエラルキーというよりは、もう少しフラットな関係で物事を決定するという感じですかね。
たとえば、サービスのコンセプトとかを決める時にフラットに進めていくと、なかなか「よし、こういう方向性でいくぞ!」という感じにならないと思うんですけど、それでもうまく進んだのは「これはこうやるのがいいよね」っていう感覚がみんな合ってたから、目指す方向がすぐ決まったというところでしょうか。

そんな中で、エンジニアのおふたりとしては、サービスの企画から開発、リリースへのプロセスにはどういうふうに関わってたんですか?
きたけー
1~2週間を単位として、「今回は商品画像を合成するところまで作ってみようか」とか「次は商品を購入するところまで作ってみようか」というふうに区切って進めました。スクラム(※1)を導入してたわけではないんですが、カンバン(※2)は用意して、タスクを可視化していました。

SUZURIチームは、既存のルールをそのまま持ってくるのって好きじゃないんですよね。僕個人はどっちかっていうと好きなほうなんですけど。
自分たちでやりかたを模索して、カンバンを使ってみようとか、サービスの方向性はこういうふうに決めようとか、話し合いの中で勝手にそういう動きが出てくるんですよね。

(※1)スクラム チームで開発を進めるためのフレームワーク。 GMOペパボでは多くのサービスでスクラムに基づいた計画的かつ円滑なサービス開発が行われている。
参考: ペパボ採用担当ブログ|ペパボはスクラムを導入してるだす!

(※2)カンバン タスクを1つずつをカードにして貼り、開発の進捗を管理するボード。 可視化することで全員が現状を把握しやすくなり、それぞれの進捗や優先順位付けによって相談の上もしくは自発的にタスクを引き取ったり協力したりもする。

たぶんあの時くぼりゅーさん溜まってたんじゃないかな…

あんちぽくん
こういう機能を作りたい、という提案をチームのみんなにするときは、2人はどういうふうに持ちかけるんですか?アイデアをまず話して進めていくのか、先に作っちゃって「こういうのよくないですか?」って感じで見せちゃうのか。
きたけー
両方ありますね。毎朝みんなで集まる朝会っていうのがあるんですけど、前日の夜に思いついたことを朝会の場で言ってみて、みんなの反応をみたり。提案してみんなが“シーン”ってなっちゃって「あれ、またこれイケてないやつ言っちゃったかな」って時もあるんですけど(笑)
あんちぽくん
逆に、「おおー!」って、みんなのテンションが上がる時もあるんですか?
くぼりゅー
結構あるんですけど、僕が覚えてるのは、ナビゲーション部分の空いてるところにゲームのロード中みたいな感じでヒントを出したらどうですかって言ったときに、鹿くんが爆笑していて、じゃあそれやろう!って雰囲気になったのを覚えてます。
きたけー
リリース直前の開発って、どうしてもサービスになくてはならない機能から実装していくじゃないですか。そんな中で突然、遊び心みたいなのが浮かんでくるんですよね。たぶんあの時くぼりゅーさん溜まってたんじゃないかな…っていうか、溜まってたっていう言い方もおかしいな、ゲージが貯まってたっていうか…。
あんちぽくん
ゲージが貯まるっていう言い方もおかしいよ(笑)。
エンジニアとして自分が面白いと思うことをやりたいという気持ちがあって、それがある一定値を超えると、つまり、面白機能を実装しないままだとストレスが溜まってしまうっていうこと?
きたけー
自然とそういうものを作っちゃうモードになる、みたいな感じですかね。その時のくぼりゅーさんの様子みてて、やべーなと思いましたもん。普段からくぼりゅーさんはタイピング早いんですけど、その時は淀みなく数十分ずっとタイピングし続けてて、傍で見ててやべーなって(笑)。
くぼりゅー
そんなだった??自分では普段と同じ感覚なんだけどなあ。
毎日どんどん仕事が増えていくんですけど、そんなに辛くないというか、自分でも増やしてしまいます。
あんちぽくん
アイデアがどんどん出てきて、自分で仕事を盛っちゃう感じですね。
くぼりゅー
開発者は、いいね!っていうアイデアが出ても、「めんどくせーな、もうちょっと簡単な仕様にできないですかね」ってなっちゃいがちなんですけすけど、それをやめて逆に自分で仕様を増やしていくぐらいの勢いでいこうと意識してるんです。

サービスを「こうするといい」みたいな確信なんてなかったですけど、鹿くんの笑ってる顔みたら、よし!やろうって思えました。


~第2話へつづく~